損害保険車物その4

あついっすねぇ。
ようやく立秋ですけど、あと1週間はこの状態なのかなー。
い、いや逆に考えよう。あと1週間でこの灼熱地獄が終わると…ヒィィ
 
今日はボデーの安全構造をちぇけらー( ・ิω・ิ)ノ

自動車の構造

主に「ボデー(車体)」と「メカニカル装置」に分けられる。

  • ボデー…硬いは正義
    • フロントボデー…車体の前面。エンジンルームあたりを指す。
    • センタボデー…車体の中央。客室あたりを指す。
    • リヤボデー…車体の後面。トランクルームあたりを指す。
  • カニカル装置…機械関係全般。エンジンやサスペンション、ステアリングなどを指す。

 

ボデー設計の基礎

ボデーの最優先事項は『乗員の安全を確保すること』。
そのため、一口に「硬いは正義」といっても肉を切らせて骨を守る構造になっている。
フロントボデーやリヤボデーはクラッシャブルゾーンといい、衝撃を吸収する役割を担う。
逆にセンタボデーは生存空間を確保するため、衝撃に耐えられる耐久性を必要とする。
 

モノコックボデー

モノコックとは、フランス語で「一つの殻」の意。
もともと飛行機のボデー設計思想を応用。
卵の殻のように、加えられた力が全体に分散され、壊れにくくする。(応力外皮構造)
 

モノコックボデーの特徴
車両重量を軽減しながらの曲げやねじれ剛性の高い設計
さまざまな種類のパネルを組み合わせて軽量で強度の高い合板を使用している。→走行性能もよくなり、省資源にもつながる。
車高を低く取れることでの室内空間の確保
モノコックボデーはフレームがないので、床面をその分下げることが可能。結果、銃身を低くすることにもつながり、走行安定性もよくなる。
生産性の向上
薄鋼板だけを使用するため熱ひずみのないスポット溶接を用いることができ、プレス精度の向上・ボデーの組付精度の向上により生産性を向上できる。

 

衝突安全ボデー

日本では、道路運送車両法の保安基準により、前面衝突実験・側面衝突実験・オフセット前面衝突実験を義務付けられている。

前面衝突実験
1994年4月から義務化。時速50kmで走行させ、垂直衝突させる。
側面衝突実験
1999年4月から義務化。対象車が停止している状態で台車を車体中心に垂直衝突させる。
オフセット前面衝突実験
2007年4月から義務化。時速56kmで走行させ、対象車の運転席側(約40%)に垂直衝突させる。

 

自動車メーカごとの名称
メーカ名 名称
トヨタ GOA(Global Outstanding Assessment)
日産 ZONEボデー
三菱 RISE(Realized Impact Safty Evolution)
ホンダ G-CON(Gコントロール)
マツダ MAGMA(Mazda Geometric Motion Absorption)
スバル 新環状力骨構造ボデー
いすゞ 特になし
ダイハツ TAF(Total Advanced Function)
スズキ TECT(Total Effective Control Technology)

 

自動車アセスメント

自動車アセスメント(JNCAP:Japan New Car Assessment Program)は、道路運送車両法の安全基準よりさらに厳しい基準で試験を実施する。
JNCAPは、国土交通省独立行政法人 自動車事故対策機構により実施されており、試験結果を「自動車アセスメント」という名前で毎年春に公表している。
 

フルラップ前面衝突試験

運転席と助手席にダミーを乗せ、時速55kmでコンクリ製の壁に正面衝突させる。
その時のダミーの頭部・頚部・胸部・下肢部への衝撃や対象車の変形をもとに保護性能を5段階で評価する。
主にエアバッグやシートベルトなどの拘束装置を評価するのに適している。
 

オフセット前面衝突試験

運転席と助手席にダミーを乗せ、時速64kmでコンクリ製の壁に一部正面衝突させる。
その時のダミーの頭部・頚部・胸部・下肢部への衝撃や対象車の変形をもとに保護性能を5段階で評価する。
フルラップに比べて衝撃は少ないものの車体変形が大きいため、乗員への加害性を評価するのに適している。
 

側面衝突試験

運転席にダミーを乗せ、重さ950kgの台車を時速55kmで側面衝突させる。
その時のダミーの頭部・頚部・胸部・下肢部への衝撃や対象車の変形をもとに保護性能を5段階で評価する。
 

歩行者頭部保護性能試験

時速35kmで大人及び子供の頭部を模擬したダミーに衝突させる。
その時のダミーの頭部への衝撃をもとに頭部障害値(HIC)として評価する。